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女はそのカクテルを掲げて口に付ける。
『ふむ、思ったよりもあっさりとしている………マリーンとケサヤを混ぜたのか?』
マスターは少し目を見開き『おっしゃる通りでございます。』とお辞儀をしながら言った。
これには隣で飲んでいたカイも驚き
『あんた、よく分かったな………。』
『あまり自信はなかった。だがこの風味と香はそいつしかないからな。』
そして女はまたカイへと顔を向ける。
『どうしても駄目か?』
『余計な問題は引き起こしたくないもんでね………第一、あんたの名前は?』
再度聞く女にカイは肩をくすめながら聞く。すると女は済まなそうな表情をして言った。
『私はシャルロット、シャルロット=クランだ。』
『………何で世界一の経済力と権力を持つクラン家総代がこんな所にいるんだ?』
クラン家はその名を世界に馳せる唯一の貴族で、クラン家が動けば時代も変わってしまう程の影響力を持っている。
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