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『言っただろ? お前に恋人になってもらいたいと……』
『あんた、俺が犯罪者だって分かって言ってるのか?』
カイはシャルロットに聞いた。もし、知らずに言ったのなら取り消さなければ大変なことになる。
クラン家の総代の恋人が犯罪者など………大事件になるに違いないからだ。
しかしシャルロットは平然とし
『知ってるぞ。世界では知らない者はいない、犯罪者だけに手をかける犯罪者。政府も手に追えず、混乱を巻き起こした人物。その名も―――カイ=フロード=シリア、別名【カオッサー】』
『知って、るのか………』
カイは驚いてシャルロットを見る。
名前もそして異名さえも当てられたのは今回が初めてだった。
シャルロットはカイにこれほどか、というくらいに接近する。
それはお互いの顔が数センチというところ。
『引き受けてはくれないか?金なら弾むぞ』
『……………』
カイは迷った。普通に考えればこんな美女と恋人になれ、更に金を弾むとなるとこれほどいい話しはないが、相手が総代でしかもこっちの身分も分かっていながらとなる。
どう考えても不自然さ丸出しのことこの上ない。
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