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『ちょっと待った』
カイは意外と華奢なシャルロットの肩に手を置き、互いの距離を離す。
『そんな犯罪者ランクXの俺を恋人にする理由は何なんだ?』
そんな問いにシャルロットは『ふむ………』と言葉を漏らしカクテルを喉に流す。
『どんなに殺されそうになっても殺されない男、どんなに言われようが軸が揺るがない男、どんなに相手が大物でも怯まない男、どんなに逆境にあったとしても必ず覆せる男、そして………』
シャルロットはカイを指さす。
『非の打ち所のない男、それに当て嵌まる男がお前しかいなかった。』
『…………』
シャルロットはカイを目を細めて見つめる。
それだけでそこら辺の男なら落ちるだろう艶かしい視線。
『じゃあ俺はあんたのお目がねにかかったわけだ。』
『そういうことになる。引き受けてはくれないだろうか?』
カイはもう一度シャルロットを見る。
その瞳には艶かしい視線の中にとても真剣な瞳が宿っていた。
恐らく、条件を満たした者が本当にカイしかいなかったのだろう。
『………分かった。その話し、引き受けよう。』
カイはその真剣な瞳と、退屈な毎日から抜け出せる期待から、シャルロットの恋人になることを決めた。
この出会いが後に世界を救うとは、誰も………この二人でさえも分からなかった。
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