01 赤瞳の少年と私

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   へぇ、と呟くと彼は更に説明を続けた。 「特待生は授業料と、学習に関する費用が免除される――理事長からは、君も特待生だと聞いたが」 「え、ああ……多分、そうなんだと思います」  私は特待生だなんて聞いていないが――内容がグランさんが言っていたことと同じだから、恐らくそうなのだろう。 曖昧な返事だったが、彼は特に気にしていないようだった。 「本当は、店や校舎も案内してやりたいが、そうすると日が暮れてしまうからな」  そう言って、彼は部屋の中に入る。 その後に続いて私も入ると、彼は扉を閉めた。 「移動呪文は使えるか?」  その問い掛けに頷くと、彼は魔法陣の元へと歩き始める。 「これから毎日使うことになるから、魔力の残量には気をつけるようにな」  もし魔力が空になれば、徒歩で帰るしかないのだろう。 移動呪文が必要なほどの距離を徒歩で移動する――考えるだけでゾッとする話だ。  魔法陣の上にいる彼の隣に立つと、彼は跪いて地面に少し手を触れた。 その瞬間、陣の周りが発光し視界を覆い隠す。 ――移動呪文の発動だ。
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