01 赤瞳の少年と私

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     発光が収まり、移動の完了を告げる。 涼やかな風が、私の髪を揺らした――どうやらここは、外のようだ。 「ここが特別寮だ。今日から君の家になる」  その声で顔を上げると、そこには立派な洋館が建っていた。 白い壁に鮮やかな赤色の屋根。絵本から飛び出してきたような外観だ。 「俺もはじめは戸惑ったが、直ぐに慣れるから」  彼は魔法陣から出て、扉の前に立ち銀色のドアノブに手をかける。 その後を追い、私も扉の前に立った。  ゆっくりと開かれる扉。 その瞬間、何やら甘ったるい香りが鼻をかすめる。 「あらァン! レオンちゃん、もう戻ったの?」 ――どうか、想像してみてほしい。  開けた扉の先に、とても立派な筋肉を持つ男の人が、ピンクのフリフリエプロンを着て、ショートケーキがのった皿を持っていたら。  誰だって、私のように、驚きで固まってしまうだろう。 「あら? 後ろの子は……」  サングラスをかけた厳つい顔が、此方に向けられる。 「もしかして、レオンちゃんの彼女!?」 「そんなわけないだろう」
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