01 赤瞳の少年と私

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 オーバーリアクションを取る彼女(男だが、多分此方の方が適切な表現だろう)に対して、冷静に言葉を返すレオン。 「冗談よっ! 新入生のルナちゃんよね?」  厳つい顔をいきなりずいっと近づけられ、思わず悲鳴を上げそうになる。が、なんとか耐えた。 しかし、あまりのインパクトの大きさに声が出ないので、うなずくことで返事にかえる。 「さっき、ケーキが出来たの。良かったら一緒に――」 「食べる」  彼女がまだ言い終わらない内に、レオンが答えた。 その声と表情に僅かばかり喜びの色が見えたことに、私は少し驚く。 「じゃあ、お皿とフォーク出してきて」  彼女がそう言うと、彼は返事もせずに素晴らしい早さで奥に入っていった。 「……彼、甘い物が大好きなの。意外でしょ?」  唖然としている私に向けて、彼女は無邪気な笑顔を浮かべた。 「確かに、意外ですね」  あの容姿からは、むしろ甘い物が嫌いそうな印象を受ける。 いや、そもそも食自体にあまり執着が無さそうにも思えるが。 「でしょでしょ! アタシも初めは驚いたわ。しかもね――」 「キャサリン、持って来たぞ」  その声に彼女の背後に視線を向けると、レオンが皿とフォークを三つずつ持って立っていた。
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