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「学園に認められた実力、魔物との戦闘経験があれば自然とお声は掛かるわよ。――特に、軍からはね」
「いきなり物騒な話になってきましたね」
この場合の軍は、十中八九国家が所有しているものだろう。
この何年かはおさまっているとはいえ、魔族の襲撃がいつまた始まるか分からないのだ。
優秀な兵士を集めて、守りを固めたいのもわかる。
「勿論、ボディーガードとか退治屋とか、この学園の教師になるとか、道は他にもあるわよ」
ボディーガードと退治屋を、教師という職業と並べていいものなのか少し戸惑う。
いや、別に教師を侮辱している訳ではないが……方向性が違うだろう?
「じゃあ、彼はそれらの中の職業に就く為に?」
「ええと……彼はそういう訳じゃないの」
彼女は困ったような顔をしながら、紅茶に口をつけた。
何気なくした質問だったが……地雷だったのだろうか。
「そうなんですか。では、あの、部屋を教えてもらっても?」
空気を読んで話題をすり替えると、彼女はホッとしたような表情をしていた。分かりやすい。
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