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「いい加減にして下さい」
もう、我慢の限界だった。
確かに、身よりのない私を引き取り、字の読み書きから魔術までの一般教養を教えてくれたことには感謝している。
しかし、だ。
「アンタは、何故月一のペースで家を爆破するんですか? 馬鹿だからですか?」
私が生活の為に、泊まりがけで働いてつくったお金。
それを、私には理解不能な発明が失敗する度に使われると、さすがに嫌になってくる。
「ご、ごめん……今回はいけると思ったんだけど……」
目の前で眉をハの字にして、うなだれる男。もといオッサン。
なんだか見てると彼が可哀想になってくるが、けして同情してはいけない。
「27回目ですよ、それ。もう聞き飽きました」
冷たくそう言い放つと、男は勢い良く顔を上げた。
目をうっすら潤ませて、子犬のようなオーラを醸し出してる。
――が、目の下にくっきりとついた隈や、無精ひげ、ボサボサの黒髪など、どこをどう見てもオッサンなので、同情する気は一切起こらなかった。
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