01 赤瞳の少年と私

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   艶やかな黒髪と陶器のように滑らかな白い肌の対比が美しい。 すっきりとした鼻立ちに、僅かに赤みがついた唇。 それらが寸分の狂いもなく完璧に配置され、美という抽象的なものを体現している。 中でも、鮮血を連想させる色をした両目には一番目を惹かれた。 ――要するに、彼は物凄い美形であるということだ。 「彼も君と同じ年齢だ、君にこの学園を案内するように言ってある」 「私はグランとお話があるから、先に行ってて」  グランさんと師匠にそう言われ、私は少し緊張しながら扉の方へ向かった。 今まで大人に囲まれて育ってきたから、同年代の相手と話すことには慣れていない。 「じゃ、楽しんできてね」  師匠の笑顔に見送られ、部屋から出る。 扉を閉めて、少年の方に視線を向ける。 「レオン・ハーネットだ。君は?」 「……ルナです」  突然の問いかけに戸惑いながらも返事をすると、彼は自然な動作で右手を差し出した。 「よろしく頼む」  恐る恐る手を差し出し、握手に応える。 ひんやりとした手に触れた瞬間、頭がくらっとした。 直後、頬に熱が集中する。
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