-ー始まり--

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「源さんの気持ちはよくわかります。人が殺されたと、殺人がおこったと、報道しているニュースを見ると、人はどうにもやり切れない気持ちになってしまうわけです。自分に何かできないか、自分でそれを防ぐ事はできないかなど、様々な思いが膨らみわけです」 「ふむふむ」 俺は竜崎が喋っている事に相槌をいれながら一生懸命聞き入れる。 「でもですね、それはどうにもならない事なんですよ」 「どうにもならない・・・・・・」 「そうです。いくら殺人を止めたいと思っていても、殺す人の殺人を予測して止める事なんてできないんですよ。所詮、その殺人を犯した人は、殺人を犯す人だった。ただそれだけの事です」 とても、探偵をしている人物から出てくる言葉とは思えないな。 「じゃあ、竜崎は諦めろって言いたいのか?」 「そうじゃないですよ。ただ・・・・・・」 「ただ?」 「いえ、なんでもないです。では早く行きましょうか」 そう言うと、早歩きになって会話を終わらした竜崎。 うーん、なんか会話を流されたような・・・・・・ まあ、いいや。 そして、俺達は会話もないまま商店街へと進んで行った。
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