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俺と竜崎は、やっと商店街に着いていた。
「ふーやっと着いた。案外遠かったなぁ竜崎」
「本当にそうですよ。それにしても、桜さんは許せませんね。給料無しにしてやりましょうか」
竜崎は息を切らしながら、何やらブツブツ言っている。
二週間も外に出ない竜崎が悪いんだけどな。
「キャー! 誰かー!」
ん? 何だ?
声のする方向に顔を向けると、女の人が男を追いかけながら何やら叫んでいる。
「一体どうしたんだろうな?」
「いや、どう見ても引ったくりを追いかけてるでしょう」
呆れながら言う竜崎。
まあ、確かによく見たら女の人が使うようなバックを男が両手で持ちながら逃げている。
「そこの人達! そいつを捕まえて!」
引ったくりの男を追いかけている女の人は必死になってこっちに叫んでいる。
多分俺達に言っているのだろう。
「おい竜崎、引ったくりを捕まえるぞ!」
「いやです。面倒臭いです!」
「おいおい、そんな事言っている場合じゃ・・・・・・」
っと、そうこう言い合いしてるうちに引ったくりの男は目の前に来ていた。
「あ!」
っと思ったが、もう遅かった。
引ったくりの男は竜崎の横を一瞬のうちに横切った。
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