時が止まった少年

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「何だよココ…」 華やかなお菓子の国から一転、そこには人っ子一人歩いていなかった。寂れた家が建ち並ぶだけ。 『ココはちょっと訳ありな世界でな。』 少し、ボスの歯切れが悪い。訳ありって一体今度は何なんだよ… そう思いながらついてったらボスはある民家の扉を開けた。 『よ。退屈そうだな。』 「何も無いから。…また友達と旅行?」 中に居たのは女みたいな顔立ちの少年だった。銀髪に深い黒の目を持ったそいつは不思議な雰囲気を持ってた。 「初めまして。僕は傘(かさ)。」 「お、俺は伊吹健司…」 それだけ言うのがやっとだった。色々聞きたいのに言葉が見つからない。 『ココは持って行かれた世界だ。』 「持って行かれた…?」
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