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俺は、伊吹 健司(いぶき けんじ)
…今まさに死のうとしていた所だった。
飛び降りって痛ぇかな?もう何でもいいや、死のう…そんな事考えながら適当なビルから飛び降りた。
…はずだった。
「は?嘘だろ…何で下に落ちねえの?」
俺の体は飛び降りたまま浮いていた。
『まあそう焦るなよ若いの。どうせ死ぬなら俺の暇つぶしに付き合え。』
いつの間にか隣に誰か浮いていた。
…いや、飛んでんのか。
「はあ?!何だよアンタ!暇つぶしとか意味分かんねーし!…俺は、俺は死ぬんだよ!放っとけ!」
『あ?…誰に口聞いてんだコラ。魔王様に逆らうと地獄に面接に行かすぞガキ。』
いや、どう見てもコイツのがガキ…って待てよ?
「魔王?」
『魔王様だ。まあ、暇つぶしに付き合ってもらう訳だし…ボスとでも呼んでくれや。』
「誰が?」
『耳が無ぇのかお前。俺が魔王だ。』
「いやいやいや!待てよ。どう見ても高校…いや、ギリギリ中坊?とにかくガキんちょじゃん!」
よく見れば暗い青色の羽とか生えてるし、これまた青で黄色のメッシュの入った髪には触角だか角だか分かんねーブツが伸びてる。
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