神様の売店

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『で、今日は何をお求め?』 コロッと笑顔になる所はさすが商売の神様。っつーか商売人ってカンジする。…この切り替えの上手さは羨ましい。 『土星饅頭一箱と新聞と…トラベルパック2つな。』 「トラベルパック?」 『旅行だからな。お前と俺の。』 あ、なるほど。魔王なのに気が利くじゃん。 『土星饅頭は俺のだからな。やんねーぞ。』 …やっぱガキだ。 未だに信じれないわ…コイツが魔王とか。 『聞こえてんぞコラ。』 「へ?俺何も言ってないし!」 魔王は俺の耳を思い切り引っ張りだした。 ちょっ…契れる契れる! 「いだだだだだっ!」 『テメーの心の中だよ!聞こえないとでも思ったかアホ!』 「もげるー!!痛いごめん痛いごめん痛いーっっ!神様仏様魔王様ーっ!」 なりふり構わず叫びまくるとようやく離してくれた。こんな調子で旅してたんじゃ五体満足で帰れるかどうか…あー、痛い… 『あっはっは!今回のお客はんは活きがええんやな!せいぜい気ぃつけんと旅行終わるまえに体中もがれてまうでー。ほい、ご注文の品や。』 …恵比寿サマ、笑顔で洒落にならん事言わないで下さい。 つーか冗談抜きでそうなりそうで恐ろしい!! 『んじゃ、代金の鬼の角と生まれたての赤子星だ。釣りはいらねえ。』 『なんや太っ腹やなあ♪ほな土星饅頭一箱オマケしたるわ!』 …どういう単位でやり取りしてんのかさっぱり分からん。 バイトしてたから暗算得意なのにな
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