ディレクターズカット(完結編)

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「おい、110番に電話しろ!」 俺と片岡は、一目散に「金鮨」を飛び出した。 そうか! そうだったのか……。 俺は走りながら考えた。 ふり返ったときの、あの片岡の微笑み。 奴だ。奴だ! 俺が「金鮨」のネタ振り職人であるという記憶も、片岡が「右近」という店からやって来たという情報も、すべてインプラントされたものだったのだ。 ウンコ寿司は片岡の妄想の産物であり、形而上の世界でしかない。 俺は片岡の脳味噌という便器の中でウンコをさせられていたのか。 「クソッ!」  
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