少女と傭兵の使い魔

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この学園では中等部から高等部の6年制で、彼女は高等部の一年生だ。 高等部に上がるころに試験があり、その実力によってS・A・B・C・D・Eクラスに分けられる。 彼女は最もレベルの高いSクラスである。 「おっはよぉ~アリア~!」 廊下を歩いていると後ろから彼女より少し背が高く、朱色のセミロングの少女が彼女の肩を叩いた。 「おはようリィナ」 彼女も笑顔で答える。 少女の名はリィナ・エルディ、彼女の、アリア・ヴェールハイドの友人である。 「今日は晴れてよかったね!なんせ入学式からアリアは楽しみにしてたからね」 「うん!はぁ~いよいよ今日なんだぁ~うぅぅ・・・なんか緊張してきた・・・」 最初はこれから行われる行事に心踊らせていたアリアだったが、次第に緊張から顔が強張っていき、暗い表情を浮かべる。 「大丈夫だよ!使い魔召喚で失敗するなんて聞いたことないし、そもそもアリアの実力で失敗とかありえないでしょ? 絶対出来るって!」 笑いながらリィナが励ますが一言余計だった。 彼女は自分の力に自信がない、成績はトップクラスの筈なのだが好戦的では無く温厚な彼女は模擬戦であまり良い活躍ができないでいた。 それでも並の実力よりは上なので、その成績と魔力の質によって彼女はSクラスに分類された。
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