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「ここは私の行きつけのお店なの、男性物も売ってるから取り合えずここにしましょ」
「ああ」
アリアに手を引かれ、店内に入る紫音。
中はとても広く、無数の服が所狭しと並んでいる。
アリアは俺の手を握りながら笑顔で辺りを見ている。
「ほら!あっちが男性物だっって、行ってみよ!」
そしてアリアは俺を引きずる様に店を歩きだす。
朝から思ったが、今日はやけに機嫌が良い。
何かあったのだろうか?
アリアは純粋に紫音とのデートを楽しんでいたのだが、紫音がそんな事を察する筈も無く、微妙な温度差があった。
「紫音て黒が好きなの?」
服を物色しながら問いかけてくるアリア。
「別に取り立てては、ただ黒の方が戦場で何かと便利だっただけだ」
無表情で言う紫音を見て、苦笑いを浮かべるアリア。
そこで後ろから聞きなれた声が聞こえた。
「あっれ~!アリアとシオンじゃない?すごい偶然だね!」
と言って、リィナと後ろにいる見た事の無い女性が近づいてきた。
「リィナ?リィナも買い物?」
アリアの問いかけに笑いながら頷くリィナ。
「そうだよ?シリウスにちょっとお洒落させようと思ってね」
上機嫌に話すリィナ。
その後ろから、見しらぬ女性が口を開いた。
「我は別にこのままで構わんと言ったのだがな、主人がどうしてもとうるさいのだ」
やれやれと言いたげに両手を上げ、首を振るシリウスと言う女性。
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