紫音の音色

少女と傭兵の使い魔

彼女にとってそう思わせるには十分な理由だった。

なぜなら彼女にとって、使い魔とは特別な存在だったから・・・・・

ホームルームを終え、いよいよ使い魔召喚の儀が始まる。

今はリィナと一緒に中庭に移動中である。

「しかし先生のおかげだよ、アリア・・良い顔してる」

アリアの顔を覗き込んで呟く。

今のアリアに緊張など無かった。
とても清々しい笑顔で歩いている。

「うん、先生のおかげだょ・・・あのままだったら私、きっと失敗してたと思う」

アリアは完全に吹っ切れていた。

これから来る使い魔に精一杯の笑顔で自己紹介しようとか何を話そう、頭にはそれしか無かった。

「さぁ～て、私もがんばりますかっ」

中庭に着いたところで元気に声をあげて気合を入れるリィナ。

「うん！お互いがんばろうねっ」

そこにエレナが集合をかける。

「ではこれより使い魔召喚の儀を始めます。
皆さん、こちらに集まってください」

がやがやしていた生徒達もエレナの周りに集まり場が静まり返る。

「高等部を迎えた皆さんにはこれより使い魔召喚の資格が与えれました。
等学園では毎年この夏の時期に召喚の儀を行います。

待ちに待った人もいるでしょう、緊張している人もいるでしょう、使い魔はこれから貴方達と共にあり続けます。

こらから楽しい事も辛い事も共に分かち合っていく友達に会うのです。

友達に会うのに緊張はしないでしょう？
リラックスして、自然体で臨めばきっと素敵な友達ができますよ」

そう言って生徒に笑いかけるエレナ。