少女と傭兵の使い魔

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私の詠唱が終わった後、足下の魔法陣が紫色に輝き始めた。 色がそれぞれ違うだけで今までの人も皆こんな感じだった。 しかし・・・・私のは少し違っていた。 今までならここで強い光と共に使い魔が召喚されるのだが・・・・・・一向に現れる気配が無い。 それどころか私を中心に紫の雷のようなものが発生した。 「ど・・・・どうなってるの・・・・」 私は予期せぬ事態に動揺を隠せなかった。 まさか失敗? いや・・そんなはずは無い・・・・だって私は平常心で臨んでいたから。 詠唱も何一つ間違って無い。 では何故? そんなことを考えてる間に雷はより一層激しさを増していった。 私自身の魔力の放出も一向に 止まる気配が無かった。 誰が見ても危険な状態だ・・・・先生が生徒に退避を命じながら私に言った。 「アリアさん!!このままじゃ貴女も危険よ! 一旦魔力の放出を止めて!!」 それは無理な相談だった・・・・ さっきから何度も魔力を抑えようとしているのだが、魔力は自分の制御を外れて吹き荒れるだけだった。 「だめ!!抑え・・・・られない!!」 「そんな・・・・・・」 状況は絶望的だった・・・・一度発動した召喚を止めるには発動者の魔力を止める以外方法は無い。 その魔力を止められないとなるともうこの暴走は誰にも止めれない・・・・・・
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