少女と傭兵の使い魔

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すると球体と光が一瞬で消え、中から全身黒尽くめの男が現れ、 そのまま地面に倒れていった。 「ど・・・どういうこと?・・・」 予想外すぎる展開に私の頭は付いていけずに混乱してしまった。 これが私の・・・・使い魔なのだろうか・・・・ 男を観察してみる。 黒い耳に掛かるくらいの髪、身長は高い方だろう、 軽く180cmはありそうだ。 どこからどう見ても人間にしか見えない。 年は・・・若いように見える・・・たぶん自分より少し上ぐらいだろう。 全身を見たこともないような黒い服で覆っている。 そこで気づいた。 腹部のあたりが真っ赤に染まっている。 怪我をしているのだろうか? そこで一気に血の気がひいた。 いてもたってもいられなくなって私は男に駆け寄り叫んだ 。 「医者を!!だれか医者を呼んで!!」 そんな私の声に逸早く反応した先生がすぐさま医者を呼ぶ為に校舎へ駆けて行った。 ここは学園の保健室。 その中のベットの一つに男が横たわっている。 私はその横に椅子を置き付き添った。 「特に外傷は見当たらないが、服に付いている赤い染みは間違いなく血だ。 服に小さな焦げた跡見たいなものがあるから多分その青年の血で間違いないと思うんだがな・・・・・・まあ何はともあれ、少し衰弱してるが命に別状はないだろう。 安心していい」 保健医の先生の言葉にほっと胸を撫で下ろした。 もしかしたらこの青年が私の使い魔なのかも知れないのに、いきなり死んでしまうなんて考えたくなかった。 そもそも目の前で人が死んでしまう所を見たくなかった。
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