少女と傭兵の使い魔

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「まあ一日安静にしていれば明日には目を覚ますだろう・・・ それじゃあ俺は他にやる事があるからこれで失礼するよ」 「あ、はい・・ありがとうございました」 そう言って先生は自分の机に戻っていった。 今日の授業は召喚の儀の後の使い魔との対話のみ。 初めてできた使い魔と親睦を深めると言う意味で一日自由に使える。 彼をこのまま放っておくことも出来ないので、私はしばらく隣で彼を観察する事にした。 何度見ても彼は人間そのもの・・・ 普通使い魔とは主にこことは異なる聖界(せいかい)と呼ばれる世界の住人が召喚される。 そこでは魔獣や亜人、妖精や精霊などが一般的である。 一番人間に近い姿をしているのが亜人や精霊だが、亜人には耳や尻尾、精霊には羽や常に身に神秘的なオーラの様なもの纏っている。 高位の使い魔の中には人間の姿になれる者もいるらしいが、魔力を常に消費する為、 気絶している状態で保てるような簡単なモノでは無い。 そう言う事は彼は人間という事になる。 彼には尻尾も耳も無いし、精霊独特の羽もオーラも感じない。 しかし今まで人間が召喚されるなんて聞いた事が無い。 そもそも彼が私が召喚したのかすら妖しいものだ。魔法が暴走したあの状況から考えて、失敗に終わったという可能性の方が強いだろう。 だが彼は私の前に現われた・・・・ 一度暴走してしまった魔法は何が起こるか分からない・・・・ その暴走に巻き込まれて何処かの国から転移されてしまったのかもしれないが・・・・ 転移魔法は使える者も殆んど存在しないとても高等な魔法・・・・ 私の実力で、まして暴走した状態の魔法で偶然発動するような単純なものでは無い。 と言う事は・・・・・・・・・・彼が・・・・・・・・ 私の使い魔なのだろうか?・・・・・・・・
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