少女と傭兵の使い魔

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俺はそれを振り向き様にその勢いに任せて蹴り消した。 俺の普段履いているブーツは燃えにくく破れにくい。 しかもあらゆる所に鉄を仕込んである。 そのブーツと俺の蹴りの速度と相まって、火の球は簡単に消し飛んだ。 その方向を見ると、いつの間にか立っていた男がこちらに右手を向けていた。 「そ・・・そんな・・・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!」 不意打ちが失敗した事によって完璧に理性が飛び、無差別に魔法を放ち始めた。 俺はその火球を避けて行き、男の懐に入り、鳩尾に右肘を食らわした。 「ごふうぅ!!!」 直後苦しそうに顔を歪めて、腹を押さえながら膝を付く男。 俺はその男に鋭い殺気を込めて睨んだ。 「どの世界にも居るもんだな・・・・貴様の様なクズは・・・・」 俺のその視線を受けて顔を上げ、しきりに身体が震え出す男。 顔は蒼白になり、口はガタガタと震えている。 「ば・・・・化けものぉ!!」 まるでゴミでも見るかの様に冷たい視線を駆ける紫音。 そして一歩男に歩みよった時、目の前に両手を広げたアリアが現れた。 「もうやめて!!」 。
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