少女と傭兵の使い魔

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不可解だった・・・ さっきまで自分に牙を剥いていた人間の為に・・・・ 何故そんな事が言える?・・・ 「なぜ止める?」 「もう十分だよ!?これ以上やって一体何になるって言うの?」 必死に問いかけるアリア。 「こいつはお前の事も傷つけた人間だぞ?」 「確かに傷ついたよ?・・・気持の良いはずがない。 でも・・傷つけられたからって他人を傷つけて言い訳じゃ無い!私は友達にそんな悲しい事をして欲しく無いの!! 」 その目に涙をためて訴え掛ける彼女・・・・ 不思議だが・・・泣いているのにどこか力強いその表情に・・・・ 俺は抗う事が出来なかった。 「それに私は救われたよ? シオンが助けに来てくれて私・・ホントにうれしかった・・・・だから・・・・私はもう良いの・・・」 目は涙で腫れているのに、今までで一番良い笑顔だと思った。 そんな彼女の笑顔を見て、俺は男に何もする気になれなくなっていた。
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