少女と傭兵の使い魔

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思わず俺は噴き出していた。 内心初めて聞いた自分の笑い声に驚いていたが、一向に治まる気配がなかった。 俺も・・・こんな風に笑えるんだな・・・・ こいつは実に見ていて飽きないやつだ。 泣いていると思ったら笑っていたり、怒っていると思えば優しく笑いかける。 出会って間もないのにアリアは俺に実にいろんな表情を見せてくれる。 そんな彼女だからこそ・・・・自分でも知らなかった表情を簡単に引き出してしまうのかも知れないな・・・・・。 そんな笑う俺を見て、怒っていたアリアが急に笑顔になり始めた。 「さっきも驚いたけど・・・・・シオン初めて笑ったから・・・・」 「ああ、俺も自分の笑い声を初めて聞いた」 一瞬で無表情に戻る紫音。 その変わり身の早さにアリアも思わず苦笑いになる。 「あはは・・戻っちゃった・・・確かにその表情もシオンらしいけど・・・・笑顔のシオン・・・すごく良かったよ」 そう言って顔を赤くするアリア。 「そうか?自分では良くわからんがな・・・」 顎を手で押さえ、首を傾げるシオン。
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