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この場所は学校の下駄箱に入る手前にある。日陰で涼しいところ。夏は気持ち良いだろうな…
彼女は桜咲き誇る木の下のところに座って目を瞑っているようだった。
俺はしばらく身動きが取れなくなっていた。金縛りにあった人の感覚が分かる気がする。というか絶対今なら分かる。
しかし、俺の中である欲求が俺を支配していた。
彼女と喋りたい。
「お~い!!!!!」
欲求が俺を支配した瞬間、俺は喋り出していた。
しかし彼女は返事をするどころか起きる気配すらしない。まずいな…このままだったら確実に遅刻だ。
もはや遅刻などどうでもいいが彼女に話しかけれる理由に甘えていた。
――遅刻しないように
話しかけている理由をどこかで正当化したかったのかもしれない。
今朝、目覚ましが変わっていたことに感謝した。
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