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「………」
彼女は目を覚ましていた。
こっちを見ている。あれ…やばい。なんか気まず…
ここで負けるわけには行かない。
「遅刻するよ!早く行かないと!」
俺は理由に甘えていた。
「あ…ごめんなさい。クラスの中は騒々しくて…
ありがとう」
彼女はこっちを見て。無表情で俺に礼をし俺の横を通り過ぎていった。
通りすがりにいい香りがした。既に俺は彼女の虜になっていた。
ガシャ
みえない歯車が動き出す音がした気がした。この場所で新たに人生が再スタートするような感じだった。
桜と隣にある緑生い茂る木がざわめいた。
もはや時間など忘れていた。
理由につけていた遅刻もどうでも良くなっていた。
これが、俺と彼女の出会いだった。
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