桜が咲く木の下で

6/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
「………」 彼女は目を覚ましていた。 こっちを見ている。あれ…やばい。なんか気まず… ここで負けるわけには行かない。 「遅刻するよ!早く行かないと!」 俺は理由に甘えていた。 「あ…ごめんなさい。クラスの中は騒々しくて… ありがとう」 彼女はこっちを見て。無表情で俺に礼をし俺の横を通り過ぎていった。 通りすがりにいい香りがした。既に俺は彼女の虜になっていた。 ガシャ みえない歯車が動き出す音がした気がした。この場所で新たに人生が再スタートするような感じだった。 桜と隣にある緑生い茂る木がざわめいた。 もはや時間など忘れていた。 理由につけていた遅刻もどうでも良くなっていた。 これが、俺と彼女の出会いだった。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!