General Story１

第１章 なんでも屋

ピンポーンというチャイム音に、はいはいと茶髪の青年が玄関へ歩いていく。

この青年の名はギル・アーウェンク。このなんでも屋の所長で何かと残念な事がよく起こる青年だ。

「はいはい、どちらさんで？」

「そろそろ情報代を――」

扉を開けた瞬間、ギルは心の扉とともに全力で閉めにかかろうとしたが、その瞬間にチャイムを鳴らした張本人が足を中に入れ、それを阻止された。

ギルはくっ、と舌打ちしながら、扉の隙間でギルのその赤い瞳が張本人を捉える。

黒髪に所々白髪が混ざり、４０代後半といったおばさんが無表情で扉を開けようとしていた。

この人の名はコレット。ギルがよくお世話になる情報屋の女主人である。

よくお世話になっている、がギルは先程より力を入れて閉めようとする。

その理由、それは……

「そろそろ借金を返しな、あ？」

コレットから鬼も怯えそうな程低い声でそう告げられる。

そう、ギルはコレットから情報を買っているのだが、その支払いは毎回ツケになっていた。

そしていい加減我慢の限界がきていたコレットはついに返済してもらう為に動き出した、というわけである。