第1章 なんでも屋

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ギルは必死で頭を擦りつけて借金返済の延期を求めるが、その願いは文字通り踏みにじられる。 ふごっ!?と顔面をおもいっきりたたき付けることになり、ギルはすぐに顔をあげると鼻を抑えた。 痛みからか、半泣きになっている。 「ひ、ひどすぎる……」 「ひどいのはギル、あんただよ。どんだけツケでいくつもりだい?」 ぎくり、とその言葉にギルの表情は固まるが、すぐにぎこちない笑みを浮かべると一言。 「か、返せる頃まで」 「いつ、なんだよ!この馬鹿タレ!!」 ガン!とギルは再び殴られ、倒れながらも頭を抑える。 すると上からコレットの呆れたような声が聞こえた。 「どうせ返すアテも無いんだろう?仕事をやるからその依頼金9割を寄越しな」 コレットはそう言うと紙を机に置いた。 そしてネイチャーとミルフィーに笑顔でまたな、と言うと事務所を出て行った。 実にギルとの態度が天と地ほど差があるように思える。 「ギル~生きてる?」 「……生きてるけど気分は死んでる」 あっそ、とネイチャーは興味がなさそうにお菓子を食べる。 どうでもいいがネイチャーにとって自分はお菓子以下なのだろうか?
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