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ギルはみんなの自分に対する位置付けを再確認したところで、よろよろと立ち上がった。
「痛でで……悪いけどミルフィー。コレットさんが残していった紙、読んでくれねーか?」
「アッハッハ、任せろじゃなーいぐげらぁ!?」
ギルはその声を聞いた瞬間、その声の主を殴り飛ばした。
もちろんミルフィーではない。
少し長めの金髪に何故か片手にはティーカップの青年を殴り飛ばしたのである。
このギルとは同年代であろう青年はビクトリー。
ある仕事で巻き込み、それ以降暇さえあれば事務所に入り浸っている変人である。
「な、なにするんだーい!?ひどいじゃなーい!!」
「ひどいだぁ?ひどいのはおまえだろうが!!何、人んちの紅茶を勝手に手ぇ出してんだよ!!何なんでも屋の財政を圧迫してんだぁぁぁーッ!!!」
胸ぐらを掴んでがたがたと揺らすがビクトリーからは笑い声しか漏れていない。
ふいに、あ、と何かを思い出したビクトリーはアッハッハと頭を掻きながら、
「戸棚にあったマフィンも食べちゃったじゃなーい」
ぶちっ、と何かが切れた音が二つ事務所内に木霊する。
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