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「深度110・・・」
安全深度を越えても沈降が止まらず、Uー102は海底に向かって沈んでいく。
プシュー
水圧で配管から水が漏れだし、徐々に浸水区画が増えていった。
ボボォーン
深度120メートルで爆雷の爆発音が遠のき、Uー102は無音を保ち続けている。
「爆雷からは逃げられたようだが、ここからは時間との勝負だな・・・」
フリッツは漏れ出す海水を手で塞ぎながら呟いた。
爆雷からは逃げられたが、まだ上には駆逐艦が居座っている。
下手に動けば位置を特定され、間違いなく爆雷でやられる。
しかし、このまま浮上出来なければ最悪の事態が待ち受けていた。
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