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「うぁ・・・」
発令所の電灯が電源の復旧と共に点灯し、フリッツの前に負傷した水兵が姿を現した。
「ヴェルナーは居ないか?!」
「負傷した水兵が居るぞ!」
そうフリッツが言うと―。
「ここに居ます!」
ヴェルナーが防水扉から顔を覗かせ、自分の頭を押さえながら言った。
配管から漏れだす海水に服を濡らされながら、ヴェルナーは医務室へ負傷した水兵を連れて行く。
「艦長!」
「お怪我はありませんか?!」
いつの間にか横に立っていた副長が、そうフリッツに尋ねた。
「・・・私は大丈夫だ」
「それより防水作業の進捗状況を聞きたい」
フリッツが副長に言う。
「機関室まで行って確認してきましたが、バッテリーが濡れてショートしていました」
副長は言った。
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