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人が走る速さよりも遅く、Uー102は静かに標的艦まで近付いていく。
「まもなく、敵との距離が1500メートルになります」
航海長が海図を見ながら距離を伝える。
「魚雷発射用意・・・」
「用意・・・」
「撃てぇ!」
バシュー、バシュー
カチカチカチカチカチ
魚雷が発射された瞬間、副長はストップウォッチで時間の計測を始めた。
「深度50メートルまで潜航!」
「取り舵いっぱい!」
駆逐艦が居た場合の回避行動を行い、フリッツは魚雷の命中音を待った。
カチカチカチカチカチ
ストップウォッチの秒針が、魚雷が命中するまでの時間を長く感じさせる。
そして・・・。
ドッドォーン
魚雷一発分の爆発音が聴こえた。
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