Erste Patrouille

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被害を被った後部魚雷発射管室と発令所では、点検と修理が急ピッチで進められている。 その間に換気と充電を行い、なるべく無駄な時間を減らすように努力した。 「少し晴れてきたな」 フリッツは空を見上げながら言った。 「そうですね・・・」 初めて爆雷攻撃を体験した副長は、少し気持ちが沈んでいるようだ。 「副長、あの月が見えるか?」 そうフリッツが空を指差しながら副長に尋ねる。 「・・・雲で隠れてしまうので分かり難いですが、見えます」 副長は言った。 「あの月は、厚い雲に隠れながらも薄明るく海上を照らしている」 「月でさえ雲の間から姿を現すのだから、必ず“平和”も雲の間から姿を現すだろう」 「雲の間から平和が現れるその時まで、“私達にできること”を精一杯やるんだ」 フリッツは言った。image=264829618.jpg
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