一時の静寂

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修理と点検が完了すると、そのままフリッツ達は帰還せずに哨戒を続けた。 初めての“獲物”を撃沈してから、何事も無かったかのように時が流れている。 「(爆雷攻撃をされてから5日が経つが―)」 「(緊張が続いていた日々が嘘だったかのように、今は平穏な時間が過ぎていく)」 「(乗組員たちも艦に慣れたようで、訓練もなかなかの仕上がりだ)」 「(それは良いのだが・・・)」 「(10日も海の上に居ると、自分も乗組員も体臭が酷くなってくる)」 「(貴重な水では体を洗えないし、水温が低い海では泳ぐ事も出来ない・・・)」 「(早く帰って体を洗いたい)」 航海日誌に切実な願いを書き込むと、フリッツはベットに横になった。
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