それからの物語

出会いのきっかけは、大学の授業でよく見かける人がいるなぁと思っていたところに、ある日、ふいに隣を陣取られた彼に、「よく会うね」と先手をかけられた。

それからも、彼は授業で見かける度に、一緒にいた友達を振り切っても、私の隣の席を選んだ。

人懐っこい彼は、私よりも先に、私の友人たちと仲良しになってしまい、あれよあれよと友達グループを結成してしまった。

私の友人たちと彼の友人たち、春のお花見から夏のバーベキュー、夏休みの旅行まで、仲良しグループで計画を立てては実行に移した。

絵に描いたようなキャンパスライフができあがった。
彼が、作った。

彼との友達関係は、もう既に一年半が経つ。タイミングとしては、むしろ遅い方だ。彼だって、それには当に気がついていたはずだ。

それでも、ここまで引き延ばしたのは、私のせいだ。そして、ここをタイミングとしたのは、彼の限界だったのだろう。