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他愛のない会話が弾むこともなく、時間だけがゆっくりと流れていた。頼んだ二人分の珈琲が、どこか所在なさそうに湯気を切った。
「今更なんだけどさ・・・・・・」
「うん」
私は顔を上げ、俯く彼の額をぼんやりと見つめた。こういう時、視線は外した方が良いのだろうか。分からなかった。
「多分、もう気づいてると思うんだけど、俺、森下さんのこと・・・・・・。ずっと、好きだったんだ」
「・・・・・・、うん」
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