神王と魔王と私

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神王は口を開き、魔王に問う 「魔王よ貴君に問う 人は何故憎しみ、悲しみ、狂気に狂うのであろうと」 魔王はその問いに口を開きこう答えた 「魔族は人の心の闇を喰らい力を増すものであり、魔族が生き残る為の念魂(波長)であり、狂気こそがこの世とあの世(魔界)を繋ぐゲート(扉)であろう」 さらに魔王は口を開き逆に神王に問う 「神王よ貴君に問う 人は何故喜び、支え合い、愛に狂うのであろうと」 神王はその問いに口を開きこう答えた 「神族は人の美しき心を浴びて、力を増すものであり、愛こそが天と地を結ぶ神聖な心であろう、ゆえに人は神を宥め祈りを捧げる純粋な気持ちが足らぬならば神は力を弱め、人の願いすら叶える事が出来なくなるであろう」 魔王はその問いに不敵な笑みをうかべ開きこう答えた 「神王よそれは魔とて同じ事であり、魔も人も生み出したのは貴君、神の方であろう、ゆえに人と魔を作りだした、神をも人は侮辱する用に成った今、我れさえ人は野蛮で愚かな小さな灯火をも生かす価値もないであろう」 神王はその問いに口を開きこう答えた 「魔王よ確かに我が神が魔と人を作り出したのであろう、だがそれは争いや妬みを生むのでは無く、人が落ち込み深い闇に飲まれたとき、魔族が闇を吸い取り悪しき心を浄化する役目を与え作りだしたのである、神族は無に成った人の心を神聖な心に近付ける為の浄化をし、人は人で保てる生き物であろう」 魔王はその問いに口を閉じ、なにやら考えていた… つづく
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