導かれし少年たち

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 一年生はともかくとして、ほとんどの上級生はそれを気にも留めない。『またケンシロウの奴、セクハラ行為したらしいぜ』『調子に乗りすぎなんだよ、秘孔(ひこう)と称して性感帯を探す』『いいキミだぜ、ざまみろ』『しかし誰なんだセクハラケンシロウをここまでしたのは』『転校生らしいぜ、一撃だってよ』そう冷笑(れいしょう)を浮かべて過ぎ去るだけ。  担架が運ばれてきて、セクハラケンシロウは連れて行かれる。どんな学校にも、問題教師はいるんだな、そう思った。  そういえば、この学園には傭兵にも似た教師がいると訊いた覚えがある。他にも危険な集団もいるらしい。気を引き締めないとダメだということだ。  そうこうしているうちに、体育館入り口まで進んだ。足を一歩踏み入れれば、そこには新しいステージが広がっている。一年前に憧れのあの人も見たであろう、最高の光景が。  そして追いかけてきたその背中が、その先にはあるはず。  ふーっと大きく息を吸い込み、気合いを籠めて足を踏み入れた。
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