始末!

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 夜の帳が降りた__  青白く輝く街並みに、遠く汽笛の音が鳴り響く。風に乗って潮の匂いが漂っている。  街中はいつもの光景が広がっていた。溢れるBGM、色とりどりのイルミネーション、ガヤガヤと行き交う人々。国道線の流れはスムーズだ。渋滞の時刻も過ぎて、軽やかなステップを踏んでいる。  それと併設する店舗から三人の少年が現れる。 「いゃー、凄い面白かったよ」 「だろ、古典落語ってのは、寄席で見るから面白いのさ」 「ホント、落語なんて今まで馬鹿にしてたよ」  中央を歩くのは黒いジャケットを羽織る短い銀髪の少年。雑踏まで進むと、ガードレールに背を預けて話し込む。  ブオーン! ブオンヴオーン! 煌めく街並みにけたたましいエキゾーストの音が響きだした。 「なんだよ、エラく威勢のいい爆音だな」  怪訝そうに視線を向ける銀髪。  街並みに幾多の輝きが乱反射する。(ひし)めく車両の間を縫うように、二台のバイクが現れた。穏やかな空気を切り裂き、悠然と目の前を駆け抜けていく。それを駆るのは白い特攻服を纏った男達。
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