それぞれの決意

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 オーク学園の力の均衡は、再び崩壊した。翌日の学園内は、学園対抗野球大会の覇者が誰なのか? その話題で持ちきりだった。  ~二年F組~ 「昨日は凄かったな。街中白い特攻服ばかりだったもん」 「あれって、夏樹くんのチームでしょ? 格好いいよね、夏樹くん。同じクラスなのに、ガッコーに来ないから、あまり会えないけど」  教室の片隅、二人の男女が会話する。 「夏樹に惚れてもムダだぜ。やろーは見た目と違って『喧嘩上等、女無し』の古臭い奴だから」  それに別の生徒が伝えた。パーマがかった金髪の生徒だ。端正な顔付きの割には、軽薄そうな口元が特長的だ。 「ふうーん、そうなんだ。それは残念」  ふっと息を吐く女生徒。それでもその瞳は『それでも諦めない。世界が終わらない限り、可能性はあるから』と言っている。 「だからって『オーク学園の奇跡』って呼ばれる俺に惚れんじゃねーぜ。俺は絶世の美女しか好みじゃねーからな」 「ふーん……そうね。それは仕方ない」  ふっと鼻を鳴らす女生徒。その瞳が『世界が終っても、あんたのようなナンパ師、好きにならない』と言っている。
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