それぞれの決意

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「相変わらずだな、玉木(たまき)」  堪らず言い放つ男子生徒。 「だけどあの大友ってガキ、夏樹に潰されたんだろ? いいざまだよな。今まで調子にのりすぎだったからさ」 「全治三ヶ月だってな。軟弱な夏樹にしては、非情な判断だ」  それで金髪の表情も剣を帯びる。 「だけどそれもあって、他の奴らは軽い制裁で済んだんだろ?」 「らしいな。だけど相楽って小僧は精神を病んで暫くは入院するそうだぜ。加藤を怒らせたんだ、そいつも仕方ねー」 「変な中坊もいたじゃん、北條を潰した、とかって調子こいてたガキ、あれはどうなった?」 「あれは一年生同士で制裁されたみたいだな。昨日、朝イチで退学届けを出しに来たらしいが、顔面中包帯グルグル巻きだったそうだぜ」  巨大な龍になるのを望み、高く飛翔することを目指した大友派閥だが、その全ては崩壊した。相楽拓也は精神を病んで長期の入院、タカッシーはあくる日の朝早く、退学届けを提出していた。 「とにかくこれでルーキーズは終いだな。あいつらは四人揃って一人前だったんだぜ。二人欠けりゃお終いってことだろ。しかも北條なんかはそうとう恨んでるらしいぜ、報復は必至じゃねぇ?」 「他の有力な一年生は、それぞれ別の派閥に吸収されてるしな」 「お前らの派閥の、“高崎ミナト”とかか?」 「ミナトも強烈だが、"サトル"の小わっぱもいる。俺らは夏樹と違って、一年生には優しいからな」  もちろん一年生は、ルーキーズだけが全てではない。猫屋会は浮き上がるチャンスを今でも窺っているし、飼い主を失った大具足虫は晴れ間に学園内をさ迷っている。他にも有力と言われたルーキーは、それぞれ誰かの派閥に所属していた。
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