宵闇の学園(魔王の徘徊)

2/11
5116人が本棚に入れています
本棚に追加
/1495ページ
 カラーンコローン。  薄暗い校内に鐘の音が響き渡る。  しばらく後、シュウの姿が二階廊下付近にあった。 「まったく、いつもいつもメンドーなんだよ!」  イラつき加減に睨みを効かせるシュウ。 「マリア様に近づいた罪だ!」  その目の前に立ち構えるのは連邦軍制服に身を包む男。両手で武器を構えて、袈裟斬りに振り落とす。 「そんなオモチャで、俺様の首が獲れるか。馬鹿たれ!」  それをシュウは右掌で受け止める。貫く鈍い痛み、焼け付くような感覚を覚えた。 「なんじゃ、そのサーベルは?」  堪らずそれを奪って床に叩きつける。ひとまず間合いを取ろうとその場から飛び退く。  床に転がったエモノは、鈍く真っ赤に輝いている。察するにビームサーベルだ、ガ○ダムを彷彿させるそれだ。だからプラスチック作りと思っていた。  だがその思惑は完全に違っていた。その硬度は痛みが走る程強烈に硬い。しかもかなりの熱を帯びているようで、床が瞬く間に黒く焦げている。 「馬鹿だね、このビームサーベルはオモチャなんかじゃないよ。ボクの親の会社の特注品。カーボンとチタンの特別製だからかなり硬い。なんと制作費は百万円!」  それを拾い上げて大胆にも豪語する男。この男、マリアファン倶楽部の住人だ。その名はアムロ、自他共に認めるガンダ○マニアで、その親もハンパないガ○ダムマニアだ。
/1495ページ

最初のコメントを投稿しよう!