オーク学園四天王

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「……なにをしに来たって。俺は“英兄(えいに)い”からジジイがヤバいって訊いて……」 「ほほぉー、“馬鹿息子”でも“父親”の心配はしてくれるのじゃのぉー」  葛城の思いも余所に、伸びたあご髭をさすり、満足そうに微笑む。  かなりの高齢を誇る文左衛門ではあるが、れっきとした葛城誠の父親だ。 「うるせー、クソジジイ!」  真っ赤に紅潮(こうちょう)する葛城。 「……キャバクラの女を呼ぶ元気があるなら、さっさと退院しろ!」  吐き捨てて病室を後にした。 「ホッホッホ、流石は我が息子。口の悪さは天下一品じゃ」  満足気に高笑いを繰り出す文左衛門だが、周りを取り囲む男達は気が気では無かった。 「すんませんオヤジ。失礼します」  五十代程のオールバックの男が、慌てて退室していった。 「坊ちゃん!」  長い廊下の先、葛城の後ろ姿に呼び掛ける。 「英兄い。……坊ちゃんは止めろって!」  背中越しに声を荒げる葛城。 「……すんません……実子」  俯き加減に伝えるオールバック。  午後三時を過ぎた院内は入院中の患者や看護師の姿が見える。それらが何事かとばかりに視線を向けている。 「……くっ」  グッと天井を見据える葛城。拳を握り締めて呼吸を整える。 「……“英二(えいじ)”さん。親父の様態は?」  そして向き直り神妙な面持ちで訪ねた。
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