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「……始まるぞ。まずは大将同士のぶつかり合いだ」
グッと視線を凝らす伊藤翔。
「見極めるんだ。この戦場、最後に立っている勝者が誰なのか」
同じく加藤丈太郎も鋭い視線を向けていた。
そうこうしている内に葛城と櫻井の距離は近付いていた。
「四の五のは言わん。早速始めるか? 学園対抗野球なんちゃらを」
「そうだな、つまらない駆け引きは終わりだ。一気に掌握する!!」
ここまで来たんだ、言葉など無意味だ。示すべきは拳ひとつ。力こそが男としての証明。目指すべき高みは最強の二文字。葛城誠、櫻井敦司、その身体が遂に激突した。
「ウッシャー! まとめて始末したるぜ!」
「威勢がいいのは結構だが、勝つのは俺達だ!」
「勝って楽園じゃー!」
「主らのような雑魚が、この俺の邪魔をするな!」
「葛城! 今度は負けねーぞ!」
「櫻井、後方は俺が守るぞ」
「……ハッ!? ボクも頑張るっす」
「……葛城誠、やはり馬鹿だな」
同時に至る所で、業火のような乱闘が開始される。激しすぎる戦のゴングが、いま打ち鳴らされた。
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