葛城組VS櫻井一派

2/40
5116人が本棚に入れています
本棚に追加
/1495ページ
「チッ」  舌打ちと共に後方に飛び退く櫻井。 「やはりボディは効かないか……」  恨めしそうに眼前を睨む。 「当たり前だろ。そんな軽いパンチ、屁とも思わん」  その眼前には葛城が立ち尽くしている。口に火の点いていない煙草をくわえて威風堂々たる態度だ。  それでもそのわき腹には、確かな痛みを感じていた。対するは櫻井敦司。仮にも十二神将の名を戴く男、その能力は折り紙つきだ。 「屁か、これでも特別な一撃だったんだがな」  さばさばと手首を揺らす櫻井。 「だが一点を突けば、お前とて崩せる!」  長い髪を振り乱し、再び飛び込む。 「崩せるもんなら、崩してみろや!」  拳を突き出してそれを待ち構える葛城。  櫻井のしなやかな身体が低い態勢で切り込んでくる。葛城の懐に飛び込み、右のフックを放った。 「崩せねーから、四天王。……格の違いだ!」  しかし葛城は左足を引き出しそれをガードする。返す刀で櫻井の頬を目掛けて肘打ちを放った。 「くっ!」  瞬時に身を引く櫻井。右腕をかざしてそれをガードする。 「狂犬! てめーの相手は俺だぁー!」  刹那、葛城の後方から声が響いた。 振り返るそのわき腹を、何者かの飛び蹴りが襲った。堪らずバックステップでその場を回避する。
/1495ページ

最初のコメントを投稿しよう!