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「なにか問題があるかシュウ」
だがルカは平然とした態度だ。何故ならシュウが女嫌いというのを理解しているから。女が絡むと、しどろもどろになって強く言い返せないから。
「こいつはエロいぞ! 眼をみただけで女を妊娠させる。……こいつが歩いた後にはペンペン草も生えない。知ってるか、ペンペン草ってのはこれぐらいの大きさで、味は……」
事実シュウの台詞は支離滅裂だ。口を開いてもうまく言葉が出てこない。それにはマリアも、別の意味でキョトンとしている。
そしてそれは真優や一弥にしても同じだ。それぞれ首を左右に振り、掌で額を押さえ、『ダメだこりゃ』とばかりにジェスチャーしている。所詮ボキャブラリーの乏しいシュウでは、ルカに敵う筈もなかった。
「フッ、問題がなければ下がってて貰おうか」
それを見つめて満足そうに言い放つルカ。そしてシュウは言葉を失った。
「俺様が学園を制覇した暁には、お前を俺様の女にする」
堂々と響き渡るルカの一方的な宣誓文。
「もちろんそれは困難を極めるであろう、この学園には恐ろしい修羅も繋がれておるからな。故にそれまでは待たせることになるだろう」
それはマリアだけでなく、その場の人々全部に向けられている。
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