その男 鳴神統

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「なんちゅうクラスだ。小悪魔真優に、太助の調子こき、むさ苦しい一弥だけでも面倒なのに、ルカのクソ野郎、変態宅ちゃん、物騒な猿飛まで一緒とは、先が思いやられるぜ」  その様子を見つめてぼそりと呟くシュウ。この倶楽部の面々、ひとりひとりは非力かもしれないが、それが束になると流石のシュウも面食らう。  そしてそれはルカも同じ思いのようだ。 「なんなのだ貴様は?」  流石にムカ付きを覚えたか、宅ちゃんを右腕で払い除ける。  しかし宅ちゃんはあっさりと後方に飛び退いた。素早い動きだ、一瞬にして数メートルは移動した。 「なあ、この学園を制覇したら、本当にマリア様はオイラにくれるのか?」  まるでガキのような言い種だ、その表情に全ての良し悪しは見えない。食べたいから奪う、欲しいから貰う、ただそれだけの意味に思える。  ルカはその表情を探るように見据えている。 「フッ、面白い奴だ。ここを制覇すればそれも可能だ。奪ってみろこの学園を」  そして呆れたように笑った。 「うん、オイラ頑張るよ」  この瞬間、学園対抗野球大会に宅ちゃんが参戦したのだ__   エピソード鳴神統~終わり
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