参の編 夢幻の如くなり

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 最初に倶楽部の狂気にあてられたのは新参者である一年生、猫屋ブラザーズ率いる猫屋会だった。彼らはその日遅く、忘れ物を取りに一族郎党を率いて校舎に戻ってくる。激しい強風が辺りを支配していた。桜の花びらも、それでほとんど吹き飛ばされていた。  グラウンドに足を踏み入れた時、それは既に始まっていた。ファン倶楽部の決起集会だ。そこに居並ぶのは数百人程の住人達。筆頭会長宅ちゃんを始め、鬼の副長 土方歳三(ひじかた としぞう)(偽名)、仕方なく参加した猿飛とその親友などそうそうたる面々。その他にもある世界では有名なマニアばかりが名を連ねている。まるで百鬼夜行、パンドラの箱でも開けたような状態だった。  それが猫屋会の恐怖を強烈に刺激した。しかも恐れ(おのの)いて立ち去る途中で、運悪くとある派閥と遭遇してしまう。それは大具足虫忠太の派閥。酷くテンパって、それに喧嘩を売ってしまったのだ。
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