俺の彼女。

2/16
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
俺の彼女は可愛らしい。 少しぼんやりしている所があるけれど、そこがまた可愛らしい。 小柄な体に、小さな頭。 黒い艶やかな髪はいつも触りたいと思ってしまう。 身長差の性か、いつも上目遣いで見つめてくる、大きく黒目がちな瞳は絶えず潤んでいる。 触れたい。 そう思っているけれど、触れられない。 彼女といっても、俺はそう思っているだけで、彼女はそうじゃない。 告白したのも俺なら、触れたいと、それ以上に進みたいと思っているのも俺だけ。 登下校も、昼休みも、俺が行かなくちゃ彼女は来てくれない。 俺が話しかけなくちゃ、彼女はいつも上の空だ。 それが、寂しくない訳が無い。 それでも、それでも、側にいたい。 そう思ってしまう。 惚れた方が、負けなんだ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!