8人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
俺の彼女は可愛らしい。
少しぼんやりしている所があるけれど、そこがまた可愛らしい。
小柄な体に、小さな頭。
黒い艶やかな髪はいつも触りたいと思ってしまう。
身長差の性か、いつも上目遣いで見つめてくる、大きく黒目がちな瞳は絶えず潤んでいる。
触れたい。
そう思っているけれど、触れられない。
彼女といっても、俺はそう思っているだけで、彼女はそうじゃない。
告白したのも俺なら、触れたいと、それ以上に進みたいと思っているのも俺だけ。
登下校も、昼休みも、俺が行かなくちゃ彼女は来てくれない。
俺が話しかけなくちゃ、彼女はいつも上の空だ。
それが、寂しくない訳が無い。
それでも、それでも、側にいたい。
そう思ってしまう。
惚れた方が、負けなんだ。
最初のコメントを投稿しよう!