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そんな僕の様子を毎日見に来る小さな奴がいた。
奴は、海草の隙間から波に流されぬよう
大きな魚に見つからないよう
そっと顔を覗かせているのだが
この僕にすら見つかっているのだから
いつ誰の餌になってもおかしくはない。
しかしながら
おそらく向こうは見つかっていないと思っているから
気付いていないフリをしてやろう、と思っていた。
それは、今の僕の最大限の優しさと言ってもいい。
奴に対して優しさなんてものを持つ自分を不思議に思いながら
所詮子供のする事・・・
そう思いながら
やっぱり少しだけ優しい気持ちで奴を意識していた。
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